ピンボールとシューティング
ピンボールからポン、スペースインベーダーそしてゼビウスへ。
進化の元をたどってみればみんな大好き弾幕シューティングも元祖はピンボール。
というわけでピンボール。
僕とピンボール・マシーンの短い蜜月はそのように始まった。大学にはほとんど顔を出さず、アルバイトの給料の大半をピンボールに注ぎ込んだ。ハギング、パス、トラップ、ストップ・ショット…、大半のテクニックを習熟した。そして僕がプレイする背後ではいつも誰かが見物するようになった。赤い口紅を塗った女子高校生が僕の腕に柔らかい乳房を押しつけたりもした。
~村上春樹『1973年のピンボール』~
「ねぇ、俺はうんざりするほどシューティングをプレイしたけど女子高校生が乳房を押しつけたりはしなかったよ」
「時代が変わったのさ。ピンボールにしてもシューティングにしても時代遅れだ。だいいち今どき赤い口紅を塗った女子高校生なんてどこにいる?」
「む。たしかに」
たしかに。どうも最近の俺は変なことを考えすぎる。
よくない傾向だ。